あのとき、Netflixを見抜けた人がいた
今でこそ誰もが知っている「Netflix（ネットフリックス）」。
でも、もしあなたが2000年代前半にこの会社の名前を聞いたとしたら―
「なにそれ？ アメリカのDVDレンタル？」
そんなふうにスルーしてしまったかもしれません。
実際、当時のNetflixは文字通り「DVDの郵送レンタル会社」。
TSUTAYAやGEOのように、パッケージを郵送して貸し出すモデルでした。
「ああ、アメリカにも宅配レンタルってあるんだな」
「わざわざ株を買うほどのこと？」
ほとんどの人はそう思っていたのです。
でもその裏で、未来の映像インフラ”を見抜いていた投資家が、ひっそりと資産を増やしていました。
100万円が196億円へ─それは誰にでも起こり得た
Netflixは2002年にNASDAQに上場しました。
当時の株価は、分割調整後で1株あたりおよそ1ドル未満。
当初は「DVDを郵送で届ける地味な会社」としか見られておらず、
ほとんどの投資家が注目していなかった時代です。
しかしその後、Netflixはサブスクリプション型の動画配信に大胆な転換を行い、
「動画配信＝Netflix」というほどの地位を築き上げました。
株価もそれに呼応するように上昇し、
2021年には700ドル近くまで到達。
そして――
2025年6月時点の株価は、約1,306ドル
仮に2002年当時、Netflix株を100万円分（＝約1ドル）購入していたとしたら、
2025年現在ではその資産はなんと…
約196億円（※1ドル＝150円換算）になっていた計算になります。
当時のNetflixは「目立たない、地味な会社」だった
勘違いしてはいけないのは、
Netflixが最初から“スター企業”だったわけではないということです。
- 大手ハリウッドとの契約もなかった
- コンテンツは地味な旧作が中心
- DVDを郵送するというアナログな仕組み
当時のメディアも、Amazonに飲み込まれるだろう”と評価は厳しく、
買い材料と見た人はほとんどいませんでした。
Netflixは“動画配信のインフラ”に変貌した
しかし、Netflixはオンラインストリーミングを早期に導入し、サービスのスケール性とUX（利用体験）を徹底的に磨いたことで、一気に“誰もが使うプラットフォーム”へと生まれ変わります。
- 2007年：動画ストリーミング開始
- 2010年以降：カナダ、欧州、アジアへ急速展開
- 2024年：加入者数は3億人超、世界190カ国対応
「DVDの延長線上のサービス」と見ていた人には、視野を広げるきっかけになったはずです。
Netflixの“コンテンツ戦略”が成長のエンジンだった
Netflixが「ただの動画配信プラットフォーム」から、
世界的エンタメブランドへと成長できた最大の理由―
それは、オリジナルコンテンツ”への徹底的な投資戦略にあります。
特に転機となったのが2013年。
Netflixは初の本格オリジナル作品として、
政治ドラマ『House of Cards（ハウス・オブ・カード）』を全話一挙配信しました。
この作品は、制作費約1億ドルという
当時のストリーミングとしては異例の予算規模で制作され、
“テレビ局を通さず、ネットだけで高品質ドラマを提供できる”
というモデルを世界に示しました。
この成功を皮切りに、Netflixは以下のような人気オリジナルを次々と投入：
- 『ストレンジャー・シングス』
- 『ブレイキング・バッド（独占配信）』
- 『ザ・クラウン』
- 『イカゲーム』
- 『全裸監督』 など
これにより、Netflixは「作品を見るために登録する」ブランドへと進化。
単なるプラットフォームではなく、
コンテンツの供給者＝スタジオとしての存在感を強めていったのです。
映像視聴の習慣を変えた存在
Netflixを信じて早期に投資した人は、何を見ていたのか？
それは、ただのDVD企業としてではなく、
「映像視聴の習慣そのものを変える存在」としてのNetflixです。
- 「いちいち借りに行かなくていい」
- 「店舗も在庫も持たない、完全にスケーラブルな仕組み」
- 「1本ずつ課金ではなく、定額制という安心感」
そして、
「これは“視聴体験のUX”を変える。次の主役になるかもしれない」
と信じて動いた投資家だけが、その未来を享受したのです。
今こそ考えたい「次のNetflix」はどこにある？
かつて多くの人が、Netflixを「ただのDVDレンタル会社」と思ってスルーしました。
でも、信じて早く動いた人は、その後の成長で何十倍ものリターンを手にしています。
そして今、同じような“見逃されがちなチャンス”がまた出てきています。
たとえば――
- 「AIなんて一部の人だけが使うものでしょ」
- 「NFTとかメタバースって、なんだか怪しいよね」
- 「宇宙開発や再生エネルギーは夢物語に聞こえる」
そんなふうに思われている分野の中にこそ、
“次のNetflix”になる可能性を秘めた企業やサービスが眠っているのです。
“あのとき買っておけば…”を、もう繰り返さないために。
Netflixも、最初は“ただのレンタル会社”でした。
でも未来を信じて動いた人だけが、数億円規模の資産を手に入れています。
そして今、同じように
「誰も注目していない」「なんだか怪しい」と言われている分野の中に、
次のNetflixが静かに息をひそめているかもしれません。
未来を変えるチャンスは、知っているか知らないかの差から始まります。
「AIも宇宙もNFTもよくわからない…」
「でも、可能性があるなら一歩踏み出してみたい」
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